はじめに
日々技術が向上し、今後成長が楽しみな分野である自動運転。
いつ実現するのか気になるところですが、アメリカの一部の地域ではすでに商用的なサービスとして自動運転が展開されています。
今回の記事ではその最前線を走る「Waymo」について解説していければと思います。
「Waymo」は日本に進出しておらず、日本人には馴染みがないかもしれませんが、すでに完全な自動運転を実現するなど、業界をリードする企業となっています。
今回はその知られざる「Waymo」の動向について触れていきます。
Waymo社概要
Waymoは2016年にAlphabet社(Goolgeの親会社)の子会社として設立された自動運転開発企業です。もともとはGoogleの自動運転部門であり、2009年ごろから自動運転の開発に着手していたようです。
世界最先端のIT企業であるGoogleが手がける自動運転を扱う会社として世界的にも注目を集めており、自動運転業界を語る際には常にその名前が上がる企業となっています。
自動運転タクシー「Waymo One」
Waymoが現在提供しているサービスのひとつに「Waymo One」というサービスがあります。
このサービスはアメリカのアリゾナ州フェニックスで提供されているサービスで、街の人はスマホのアプリからWaymoが開発した無人の自動運転車をタクシーのように呼ぶことができ、その車に乗って目的地に向かうことができます。
もちろんこの無人の自動運転車が走るのは、公道であり、他の車が走っていたり、信号があったりする道です。このサービスは2020年10月に一般の人々に向けてサービスリリースされており、すでに多くの一般の人々が無人の自動運転車に乗ることができています。
このサービスは一般の方が完全無人の自動運転車に乗ることができ、商用化されているという点と一般の車も走っている道に合流し、一緒に走るという点で、世界で類をみないサービスレベルとなっています。
Waymo Oneの映像をみる
実際に映像をみてみないとその凄さがなかなか伝わりづらいと思います。
以下海外の方が、実際にWaymo Oneサービスを利用した際の映像を60本近く動画としてYoutubeにアップロードし再生リストを作っていますので、是非確認してみてください。
映像を確認するとわかるのですが、WaymoOneサービスの自動運転車はやや慎重な運転です。
たとえば、駐車場内で出発する際は、周りに人がいなくなるまで、なかなか出発しなかったり、右左折するような際は車が遠くいてまだ接近していない場合でもしばらく通り過ぎるのを待ってから右左折する傾向があります。
せっかちな方はすこしイライラする運転かもしれませんが、このやや慎重である運転を実現し、公道を走り安全に乗客を運ぶ姿には感服しかありません。
Waymo Oneの今後
Waymoは2021年2月17日にブログを更新し、カリフォルニア州サンフランシスコでのテストを拡大していく旨の内容をアップロードしています。
そして、このサンフランシスコでのテストの位置付けを「都市部」での自動運転の実現としており、起伏のある丘から浜辺の高速道路、小さな脇道から巨大な道路、自転車専用通行から路面電車の線路など多様性のある道路に対応していくことを意味していると伝えています。
アリゾナ州フェニックスは人口密度1,000人/km2程度であり、日本でいうと、地方の県庁所在地がこの程度になります。実際、フェニックスは砂漠のど真ん中に作られた都市であり、広々とした平坦な土地で豊かに暮らしているイメージがあります。
これに比べ、カリフォルニア州サンフランシスコは、人口密度が7,000人/km2もあり、フェニックスと比べとても人が多い都市だと言うことがわかります。日本では都心部やその周辺の主要都市がこのくらいの人口密度になります。
そしてサンフランシスコは起伏に富んだ土地であり、丘が激しく、さらに路面電車が走るという自動運転車には過酷な環境です。
今後より都市部での提供に向け、自動運転技術を高めようとしていることが見て取れるかと思います。近い将来都市部でも自動運転タクシーが走行する日も遠くなさそうです。
そして早く日本にも進出してきて欲しいものです。
自動運転長距離トラック「Waymo Via」
さて、ここまでWaymo Oneという自動運転技術を用いたタクシーを見てきましたが、Waymoはもちろんこれだけではなく、物流業界に対しても一石を投じています。
それが、Waymo Viaというサービスなのですが、2017年からカリフォルニア州とアリゾナ州を往復し、Goolgeのデータセンターへ荷物を運んでいるようです。
これはまだパイロットという位置づけでWaymo Oneのように商用化までは行きついていないようですので、今後の取り組みに期待です。
この一年新型コロナウイルスの影響により、さまざまなビジネスがストップする中、Waymoも例外ではなかったものの、Waymo Oneがついに一般リリースしました。
そして、前述のWaymo VIaなどコロナが落ち着けばさらに進化が進みそうです。
そのまえに、直近では、CEOが後退したりと今後の方向性がどうなるのか気になるところではあります。
2021年4月
ジョン・クラフシックCEOの退任を発表。後任はディミトリ・ドルゴブCTO(最高技術責任者)とテケドラ・マワカナCOO(最高執行責任者)が共同で務める。
2021年1月
Waymoは「自動運転」という言葉を使うのをやめ、「自律運転」という表現を使うことを宣言。これは、車は勝手に動くものではなく、人間の指示したところへ運転を自律的に行うという意味がある。
※この記事では一般的な言い方である自動運転といワードを使っています。
2020年10月
Waymo One一般提供開始し、商用化段階へ。
さいごに
ここまで自動運転業界を牽引するAlphabet参加のWaymo社の動向を見てきました。
日本の自動車会社は、現在販売しているような車を徐々に自動運転に近づけていこうというアプローチを行っていますが、Waymoはタクシー、物流という業界に特化し、それを実現できる車両を開発し、サービスとして利用してもらうという点で大きく日本のアプローチと異なっている点も理解いただけたのではないかと思います。
そして、Waymoのようなアプローチ方法で、実現したのが、Waymo Oneというサービスで、その完成度・すごさも動画をみていただけたら、お分かりいただけなのではないでしょうか。
近い未来、物流・タクシーといった業界で、一定のエリア内で完全自動運転化されるのは意外と近いのかもとこの会社の動向を見て感じました。
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