文系でもわかるAI(人工知能)の簡単な説明

2021/05/01

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文系でもわかるAI(人工知能)の簡単な説明

はじめに

人工知能(AI)を題材にした映画を見たり、近未来のこととして語られるAIの話を聞くとワクワクすると同時に怖いとも感じることもありますよね。

そして実際に現在AIはどの程度の能力があって、今後はどうなるのか?ということが研究者ではなくても気になるのではないでしょうか?

この記事では人工知能(AI)の仕組みについて解説するとともに、人工知能の現在地に関してもお伝えしていこうと思っています。

人工知能全体像

人工知能(AI)とともに語られている「機械学習」、「ディープラーニング」という言葉ですが、まずはそれぞれの関係から見ていきましょう。


まず人が作り出した知能という意味で、「人工知能」という大きな概念があります。


その下に人口知能を支える技術として「機械学習」という概念があります。
機械学習とは情報を処理して人間と似たような判断ができるように学習を行うことができる仕組みのことを指しています。さらに機械学習を行う手段として、「ニューラルネットワーク」という概念があります。

ニューラルネットワークとは人間の脳にある神経細胞(ニューロン)を模したようなモデルになっており、機械学習で最も利用されている仕組みとなっていますさらにこのニューラルネットワークの中にディープラーニングという概念があり、ニューラルネットワークをさらに進化させ、より精度を高めるためたものになります。


※人工知能と各言葉の関係


ディープラーニングの構築

さて、ここからは人工知能の研究の中で最も進んでいる「ディープラーニング」について解説を進めていきます。ディープラーニングは人間の脳を模したニューラルネットワークの進化系というお話をさせていただきましたが、このディープラーニングはどう構築されているのでしょうか?


ニューラルネットワークのモデルについては実は1940年代というかなり昔からそのモデルの実用性は発表されており、人工知能構築のモデルとして活用されていました。また、コンピュータの処理能力向上により、さらに発展したディープラーニングのような手法も昨今ではできるようになってきています。このようなモデルは一般化されており、プログラミング言語Pythonのライブラリ(形式化されたプログラム)の一つとして無料公開されています。


1943年ウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツが「形式ニューロン」を発表しています。

現在では、AIを謳う多くの企業が上記などの無料公開されているライブラリ(形式化されたプログラム)を利用して、人工知能を構築していますが、人工知能を強化するデータの精度、量によっても人工知能の能力が変わってきますし、アプローチ方法によっても同様に変わってくるため、ニューラルネットワークのモデル自体を新しく作り上げるというよりは、より質の良い大量のビッグデータを作成し、学習させるのが一般的なAI企業の差別化点となっています。

人工知能の現在地

さて、上記のように質・量とも高いデータをあつめることで、人工知能は成長することができますが、多量のデータさえあれば、どんどん人工知能の能力が上がるかといえばそうではないということが見えてきています。

「Garbage in Garbage out」という言葉があるように、ゴミデータをいれても結果ゴミのような出力しかされないという意味なのですが、質が高くないデータをいれると、結局なにも学習が進まなかったり、間違った結果を出力するようになったりします

また、質を選択する作業も人力にならざる得ないこともあり、質の高い量のあるデータを作ることに時間がかかったり、そこの取捨選択を人工知能が行えないことで、人間のようにほっておいても成長するということまでなかなか行きついていません。


また、現在人工知能を謳っているサービスも人間の完全代替とはいいがたいものが多く、人の行動の一部をサポートするまでに止まっています。ビジネス化についてもその他の産業にくらべ今後の発展性はありR&Dは必要であるものの、直近の収益化がうまくいっていない印象もあります。

今後について

ニューラルネットワークは優れた考え方なのですが、かなり昔からある考え方であり、これだけ情報が揃っている中でも人工知能として発展が進んでいかないという点ではモデル自体にさらに改変を進めて必要があるのではないでしょうか?


また、そのモデル構築のための資金集めに関してももっと収益化を行えるAIを用いたサービスを社会が作り上げる必要があるようにも感じます。


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